映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クエンティン・タランティーノ監督「デスプルーフ」3828本目

デス・プルーフなんて、面白いことを考えたもんだ。なんとなく、子どもの発想って気がする。そこがいい。

カート・ラッセルが鬼畜なテストドライバー、素敵なギャルをナンパしては地獄へ送る。ゆがんだ欲望の現れだ。。。しかし最後にナンパしたギャルたちは世界最強だった。タランティーノの、ゾーイ・ベル愛というかリスペクトの極致が見られます。

この映画もまた、リベンジによるすっきり感Maxで、多分日々のストレスが強い人ほどこの映画で喜ぶはず。(以前見たときほどではない私は、だいぶのんびりと暮らしてるようだ)

全体としてみると、監督の、愛すべき女性たちへのリスペクト、虐げられてきたことに対するリベンジ・ムービーなのかなと感じる。で思った。彼と長年コラボしてきた大物プロデューサーが、女性たちを最低なやり方ではずかしめてきたと知ったとき、監督は彼と手を切った。でも、その思いはまだ完全には発散されていないんじゃないか。そのうち、女優たちが変態プロデューサーに見事なリベンジを遂げる作品を作ってくれないかな。だって彼は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」や「イングロリアス・バスターズ」で憎むべき敵を倒すアナザー・ストーリーを作ってきた人だから。

ちょっと仕事が詰まってきたけど、次の作品も見ていきます。