映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

伊藤大輔監督「王将」105

1948年作品。

かの有名な将棋の天才、坂田三吉を描いた「王将」。夫婦善哉などと同様、大阪を知る上でmust!と思って見ました。

坂田三吉ってのは、私のイメージでは藤山寛美みたいな人がやるもんかと思ってたら、かの二枚目俳優バンツマこと阪東妻三郎がやってるというではないですか。かなり汚く装ってますが、笑顔が可愛くて、下町の人気者らしい。顔が田村高廣そっくりで、あの三兄弟のお父さんだとすぐにわかりました。

家族が心中した!?と聞いたときの戸惑いの演技がチャップリンみたいで面白い。wikiによると無声映画的なんだそうです。

王将といえば村田英雄の歌を思い出す世代なのですが、あの歌は1962年の映画(三國連太郎主演)のテーマ曲なのだそうです。何度も映画化されていて、関西の人たちにとって特別な、大切な存在だったんでしょう。

三吉の眼の手術費用を提供した人には将棋の世界に東vs西の対立を持ち込もうとする意図があったりして、いろいろ、いろいろなのですが、そんなのも含めて関西風味の感じられる映画でした。以上!