映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

大林宣彦監督「廃市」533本目

昔の文芸映画のような映画でした。
好きになってはいけない人を好きになってしまったけれど、大切な人のためにその恋心を抑えて生きていく人たちの物語。嫉妬と自信のなさと、疑い深さのせいで、誰も幸せになれない。
でも、とても清潔な印象のある映画です。大林宣彦監督が、こんな大人の映画をこんなに昔に撮ってたなんて知りませんでした。
(ジャケットを見て、てっきり半ドキュメンタリー的な公害問題かなにかの社会映画だと思ってたくらいで)

今から見るとちゅうとはんぱに昔の作品なので、今あえてこれを引っ張りだして見る人は少ないんじゃないかという気がしますが、独特の情緒のある作品です。