映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

深作欣二監督「華の乱」2989本目

深作欣二監督がこんな文学的な作品も撮ってたんだ。吉永小百合のインタビュー本を読んだら見たくなってしまったんだけど、彼女が与謝野晶子を演じるって斬新だなぁ。まっすぐすぎて不倫とか絶対しなさそうな女性ってイメージなので。

ちょっとヨゴレた感じの女性を演じていて、リアリティもあるのに、なんとも清潔で綺麗ですね。このとき43歳かぁ。

松田優作が恋の相手って、年齢差は?と思ったけど、吉永小百合より4歳年下なだけなんだなぁ。彼は大人になってから映画に出るようになった人だから、デビューの時期が何十年も違っているけど意外と近かったのか。彼が演じた有島武郎の心中相手を池上季実子(「HOUSE」の美少女から11年後だ)が演じていて頭が混乱してきます。

映画のなかには、与謝野鉄幹&晶子のほかに、大杉栄&伊藤野枝、有島武郎&波多野秋子といった男女もからんできて、はかなく時代に巻き込まれて散る人も多いけど、与謝野晶子は生き延びたところが素敵な気もします。

人にどう思われるか、を後回しにして、自分の思うままに生きようとした、ある意味動物のような人たちがなんだか美しく思えるのでした。

華の乱 [DVD]

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  • 発売日: 2014/10/10
  • メディア: DVD