「パラダイス・ナウ」の監督の作品。あの作品は見る前かなりビクビクしてたけど、恐ろしすぎない演出でした。これもそうだな。ただ、恐怖をあおる演出じゃないとはいえ、若いオマールの巻き込まれ度は「パラダイス・ナウ」にも匹敵します。彼、なんも悪くないんですよ。何一つ、人を傷つけたり国家を危険にさらしたりなどしてない。ひたすら一人の女性を愛し、仲間や家族を思っていただけ。描き方が淡々としているから、最後まで冷静に見られるけど、終わってからズンと胃にくるような重さがあります。
恋人に会うために上ってはいけない壁を上った。多分、素直でまっすぐな人が利用されるんだ。そこはどの国のどの地域で何をしている人にも普遍的にいえることだから、すごく重いんだな。彼には銃を撃つ資格というか、必然性があった。という気持ちを抑えられないです。