映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クリント・イーストウッド監督「アイガー・サンクション」2566本目

アイガーといえばスイスアルプスの超絶、登頂が難しい山ですね。(特に北壁)

なぜかそこを舞台に制裁が行われる映画なのですが、舞台はほとんどアリゾナ州のモニュメント・バレーです。ここって本当によく映画で使われますね!(スイスロケお金かかるんだろうな。)

sイーストウッド監督映画なのですが、映画の中の主役の彼は足を洗った元暗殺人で、行く先々に敵や味方の手先のいい女がいてすぐにしなを作って彼のベッドに入ってきます。うーむ、男しか読まない週刊誌的な世界、イーストウッド監督作品にしてはノリが古い。

登山が始まると緊迫感が出てきます。しかし、楽しい山歩き以外の、こういう厳しい登山って、なんでするんだろう…この北壁なんて致死率5割以上とかなのに。死ぬリスクより欲しいスリルなんでしょうか。この映画でも<突然ですが以下ネタバレ>主人公しか帰ってこないというありさま。

結局、登山隊に紛れ込んでいると言われる敵は、ふもとのサポートチームをやっていた彼の旧友で、お互いに命を奪うこともなくアメリカに戻る…てことは、既に死んだ人たちはいったい何のためだったんだろう?最後の最後のこの「殺し合いのむなしさ、ばかばかしさ」だけが、今のイーストウッド監督作品を思わせる部分だったように思うのでした。

アイガー・サンクション (字幕版)

アイガー・サンクション (字幕版)

  • 発売日: 2015/03/04
  • メディア: Prime Video