映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アーサー・ルビン 監督「ニューオリンズ」3025本目

「町山智浩のアメリカの今を知るTV」で取り上げてて面白そうだったので、さっそくU-NEXTで視聴。「トラウマ映画」とかの本は読んでるけど音声配信とかは聞いてないので、あまり映画に関しては追っかけてないんだけど、これはサッチモとビリー・ホリデイが出てて貴重な映画でした。(最近、町山智浩のニターッとした笑いが可愛いかもしれないと思えて来た。大丈夫かな私)

アンクル・トム的な、気のいい黒人サッチモに対して、場末のやさぐれた歌手ふうのビリー・ホリデイ。見た目も歌声もやさぐれててなんともたまらない魅力がある一方、わりに明るい雰囲気なのが意外でした。そりゃ、この映画で「奇妙な果実」は歌わないよな。

ところで私は「ベイズン・ストリート・ブルース」という曲がすごく好きなんだけど、あまりこの曲は定番レコードがない。この映画の舞台がまさにそのベイズン・ストリートだったのでちょっと嬉しくなりました。

第二次大戦後の1947年に作られた、1917年が舞台の作品か。当時の人たちに、この頃は「古き良き時代」と感じられたのかな。私としては、黒人奴隷が当然のようにいる作品って、後から作られたフィクションでも興味深いのでした。