映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アラン・ロブ=グリエ 監督「快楽の漸進的横滑り」3115本目

U-NEXTの「この映画を見た人へのオススメ」で出た。この斬新な難しいのかバカなのかわからないタイトル。なぜか「死霊の盆踊り」を思い出して「快楽の漸進的盆踊り」と連想してしまうけど、どんな問題作なんでしょう、アラン・ロブ・グリエ先生。

アニセー・アルヴィナってちょっと口元がとろんとしてて、アン・ハサウェイみたい?うら若きユペールせんぱいは最初からハダカで死体なんだけど、 胸の形がお椀を移植したみたいだ…。それと、先輩の特徴である「への字口」ではない。口元はまっすぐなので、それでぱっと見、彼女だとわかりにくい。この作品と「天国の門」の間の彼女に何が起こったんだろうな。

変な映画だけど美しい。とてもきれいな女の子たちが、うっとりした表情で、自分たちが見た不思議な夢を再現するような。

この作品では男性の印象がとても薄い。美少女たちにどいつもこいつも欲情してるんだけど、主役は女性のほうなのだ。彼女たちは生まれつき美しくて、男たちが欲情しようがどうしようが、自分たちの感情のおもむくままに行動しているのが、なんとなく見てて気持ちいい。

最後まで見たら、「漸進的横滑り」はデジャヴみたいな意味だったのかな、と思いました。

快楽の漸進的横滑り

快楽の漸進的横滑り

  • アニセ―・アルヴィナ
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