映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジュゼッペ・トルナトーレ 監督「モリコーネ 映画が愛した音楽家」3662本目

すごい感動的だなぁ。

私は恥を忍んでいうと、モリコーネの映画音楽で印象に残っているのは「ニュー・シネマ・パラダイス」や「続夕陽のガンマン」のメインテーマくらいで、膨大な数の名作を見ていながら音楽にあまり注意をひかれていませんでした。この場で「ずっと最高の映画音楽だと思ってた」って書けたらどんなにカッコよかっただろう・・・。

でも彼が音楽を作った映画には私の大好きなものが多い。1900年もワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカも天国の日々もアンタッチャブルも海の上のピアニストも。この映画を見終わって思うのは、(当たり前のことなんだけど)音楽は監督や俳優たちと同様、映画を作り上げるすごく重要な1ピースで、モリコーネはすばらしい1ピースを作ることによって映画の質を一段も二段もすばらしいものに変えてたんだな。全体的な感想しか持てなかった私にも、彼の音楽の恩恵は届いていたんだと思います。

彼と妻マリアの夫婦が素敵すぎます。小さい頃は芸術家の妻になって夫を支える、みたいなのに憧れたこともあったけど、実現しなかったな。その理想形がここにありました。