映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ピエール・トレトン 監督「イヴ・サンローラン」834本目

イヴ・サンローランって人は、なんて美しくて素敵な人だったんでしょう。
美の神様みたいな才能と、シーシュポスみたいに連続する苦悩。
類いまれな人がいて、彼を守り続けようとした人がいた。

サッカースタジアムでの壮大なファッションショーで勢ぞろいした、すばらしいドレスたち!
それと対照的に、イヴの死後ピエール・ベルジュがオークションに出したアート作品が、次々に信じられないほどの高値で落札されていく。ピエールとイヴの日々が少しずつ剥ぎ取られていくようです。

昨日見た「ハーブ&ドロシー」の中の幸せそうな作品たちと違うんだなあ。
なんとも言えず切ないです。
本当に美しいものを見せてもらいました。