映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

川島透 監督「チ・ン・ピ・ラ」1198本目

久しぶりに見た。この映画、大好きだったんですよ。最初に見たのはいつだろう?
テレビドラマの映画化だっけ、と思ってたくらい、何度も見た記憶がある。
ストーリーは意外と抜け落ちてるんだけど、細かいところを妙によく覚えてる。
デパートの屋上、あれは東急東横店かなぁ?

もともとジョニー大倉が好きだったし、柴田恭兵と彼の二人組がじゃれあうのが可愛くて可愛くて。
赤と青のサテンの”ダサいスカジャン”のお揃いも。

高木沙耶も透明で美しい。細い二人が、狭い部屋の窓際のベッドでゴロゴロしてるのも、若い頃に友達なんかが住んでたようなアパートそのものだ。

70年代っぽさを残しつつ、テクノポップ的な軽さをもたらした80年代的なPINKがテーマ曲。だから演歌にはならない。なんか香港とか台北とかの若いギャングの映画みたいに、乱暴だけどどっか明るい。

トレインスポッティング」のユアン・マグレガーみたいに、泥の中にいてもどっか明るい二人。
102分にまとまってるのもいい。

ラストがキレイすぎて、夢の中なんじゃない?という感じはどうしてもあるけど、いいんだよね。それで。
夢ばっか見て大人になれないのが彼らなんだから。