<結末にふれています>
いちばん多感な頃の少年少女が、大人の都合で振り回されて、恋や自分の夢と家族の間で揺れ動く。一見ガサツだけど誰よりも繊細な少年を演じるリヴァー・フェニックスが素晴らしいです。彼女に出発を告げるときに震える口元とか、家族から置いて行かれるときの戸惑いと愛着の葛藤とか。
「その後どうなったか」に触れず、丸太をぶった切るみたいに終わりますが、その直前に流れるニュースや新聞記事の不吉フラグがせつないです。音楽の世界って、メンタルがかなり影響するし、生え抜きのエリートしかいない名門校に入って彼がどんなふうに傷つくか想像しても、なかなか単純なハッピーエンドは難しい。
とにかく、彼の繊細な演技に心を動かされる映画です。