映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ウォン・カーウァイ監督「いますぐ抱きしめたい」3315本目

タイトルと監督の名前から、激烈な愛の物語かと思ったら、むしろ若い香港のチンピラ青年たちの物語でした。アンディ・ラウも若いけど、マギー・チャンは田舎から出てきたばかりみたいにまだ少女っぽい。「花様年華」の艶やかな姿を思い出すと、すごい成長の跡だなぁと思います。

監督自身の成長も著しいと思います。この作品は、いい部分はいろいろあるけど「!」と目を引かれる場面もないし、監督の名前が忘れられなくなるほどのインパクトも感じなかったけど、あちこちで言われているとおり、この次の「欲望の翼」が監督を特徴づける最初の作品になったのですね。なるほど。

でも、刹那的な彼らが美しくて素敵でした。

(最後もう一度マギー・チャンの反応を拾ってあげてほしかったかも)