映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

大林宣彦監督「可愛い悪魔」3428本目(KINENOTE未掲載)

DVDなのに古書の匂いがする。少しカビっぽいような…。よほど前に借りてから時間が空いてるのかな・・・。

これは普通に映画かと思って借りたけどKINENOTEには記録がない。テレビの「土曜ワイド劇場」で1982年に放送された”テレビ映画”らしい。大林監督作品のなかでは「HOUSE」の仲間という印象。可愛い(いや怖い)アリスちゃんを演じた川村ティナは今50歳か・・。彼女が成長した姿が秋吉久美子?と思ったら、別人でむしろ被害者という設定だった。渡辺裕之も峰岸徹も赤座美代子も若い。

ちっちゃい女の子が人を呪うのって、「悪い種子」がモデルなんですね。あれかー。アガサ・クリスティにもあったし、キャリーとか各種ホラー映画にもあるモチーフですが、これは大林作品なので、死体は人形のようだし、死をもたらす美少女に制裁めいたことは一切ありません。せりふは棒読みっぽいし、テレビ的な規模間の中の大胆な演出。この後に続いたのは実写じゃなくて美少女が登場する残酷なアニメというべきじゃないかな。だって水辺の場面とかでも、丘の上の家や空は不自然な色合いの絵になってて、リアルに見せようっていう意図があまり感じられない。

「13日の金曜日」のラストみたいな、湖上のボートの場面もある。トラウマ系のホラー映画が好きな人だったんだな・・・。すごく作りが荒いというか雑なんだけど、特殊な面白さがある。そして出てくる少女たち、大人の女性たちが、すごくキレイで美しいんだよなぁ。

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