今日の一言:「誰と誰が五人の仲間なんだ?」
(原題は「A Big Hand for the Little Lady」なんですけどね)
1965年作品。「十二人の怒れる男(1957年、アメリカ)」を思い出しました。ほとんど密室の中で、その場にいる人物の濃厚なやりとりだけを映画にしたもの、という意味で。
どんでん返しにつぐどんでん返し。額に脂汗が浮かんだ男たちと、涼しい顔をした貴婦人が、アドレナリンを放出しながら世紀の大勝負をくりひろげます。人間ドラマって、演技がしっかりした役者さんさえ揃えば、高価なセットもすごいエフェクトも何も要らないので、昔の映画だからといって見劣りするところは何もありません。
賭けに加わってしまった夫を救おうとする妻を演じるジョアン・ウッドワードが凛として美しいです。
西部劇というセッティングがちょっと私(おばさん)にはとっつきにくいのですが、はっきりいって前半45分を流し見て、妻が賭場に入ってくるあたりからじっくり見れば、十分入り込めます。
私は<以下ネタバレ>
“最後の手”が実は平凡な手で、それでもカネを貸すと銀行家が乗ってきたのは、妻の心意気に打たれて一芝居打ったのであった。。。。というオチかなと思ったのですが、もっともっと裏がありました。
人はみんな、心のどこかで、きれいに騙されたがっているのでしょう。
とはいっても、賭場の人たちが憎めないので、最後の最後の大どんでん返しのカタルシスはそれほどありません。
最初の15分くらいはぐっと縮められそうだし、ラストシーンにはもうひとつ毒があってもいい気がしたりするし、細部まで完璧ではないかもしれない作品ですが、人に見せたい映画リストに加えておこうと思います。以上。