映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジャック・タチ監督「トラフィック」454本目

タチは1907年生まれなので、この映画のとき64歳。
「ぼくの伯父さんの休暇」は1952年で45歳なので、だいぶ年をとりました。
もともと「ユロ氏」ってあまり目立つキャラクターじゃないんだけど、この映画ではますます見つけにくい。パイプをくわえてるのが唯一の特徴かなぁ。それも、そういう特徴をもともと知っていなければ探しようがないです。判別できるくらい近くに寄って顔を映すショットも皆無に近いです。
見た目は毛糸の帽子の「マルセル君」のほうが主役っぽい。

でもこの映画は、わりと細かく面白いポイントがたくさんあって、地味〜だけどなかなか面白いと思いました。
ユロ氏の発明したキャンピングカーなんてのも、楽しそうな工夫だらけで。

しかしこの映画けっこうお金かかってますね。
大規模な自動車のトレードショーもだし…何台もぶつけてへこませてるし(壊してないけど)、ユロ氏発明のキャンピングカーの改造費だってばかにならないはず。
なんとなーく、心配になってしまう映画監督なのでした…。