<ネタバレあり〼>
恐ろしく美しい、完成度の高い美という作りものの世界。おっとりした若いウェイトレスを可愛いと思って家に入れたら、彼女はだんだん自我の強さを表してくる。自分を見てくれないことの不満が、「毒親」みたいな独占欲として開花する。こんなもの、究極の愛とか安易に呼ぶなよなぁ・・・。
レイノルズの神経質さ、見覚えがあるなーと思ったら私の亡き父に似てますね。痩せてていつもピリピリしてて・・・。本当は彼らは、殺すほど愛して欲しかっただけなのかもね。こじらせ果てた、ひがみ。完璧にかし付いてくれるシリルではなく、優しげにそこにいて、いつの間にか自分を支配しようとする、その女性に破壊されたい、という病み方。
オチに感動がないので、アカデミー作品賞受賞には至らなかったんだろうな。(賞レース勝ち馬予想、あとづけは卑怯だろ私)
それにしても、ポルチーニみたいなキノコのバターたっぷりの炒め物、レイノルズが一番嫌いそうなお料理、私は大好き。食べてみたい気持ちを、これから先一生抑えられるかしら・・・。