映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

佐藤二朗監督「memo」 2598本目

「裏のままー、裏のままー、裏のままー」試験開始まで答案用紙をそのままにしとけ、という先生の指示がうるさい、なんでそんなに何回も言うんだ、と思ったことがあったのを100年ぶりくらいに思い出した。こういうギャグって嫌いじゃないです。佐藤二朗のTwitterはあんまりピンとこなくてすぐフォローやめちゃったけど、同じギャグを違う俳優さんたちが演じると、違和感があってちょっと面白い。

強迫性障害かぁ、言われてみるとなるほどという気もします。このおかしさ、”気にしすぎてちょっと変”という面白さなんだよな。

佐藤二朗は登場シーンからずっと、隙間なく喋り続けるのですが、これが強迫性障害ならウディ・アレンも間違いなく同じ状態にあると思う。

「おじさん」が明るいし可笑しいから大丈夫か?というと、不安も感じてたんだけど、<以下ここからネタバレ>自分がモデルなのにあっけなく悲しい末路でした。そこからどうエンディングに持っていくのかというと、めいの韓英恵の病気が軽快して何かつきものが落ちたようになっていく、という終わり方でした。監督は自分を殺して少女を救おうとしたのか、それとも病気の自分と決別して少女のほうに同化していったのか。

不思議な面白みがあって、私はこの映画嫌いじゃないです。

明るくてふわっとして可愛い女の子たちと違って涼し気な韓英恵が美しかった。高岡早紀、白石美帆、と、監督の好みなんでしょうか、きれいで可愛らしい女優さんたちが華を添えていたのも、あったかい雰囲気になるポイントだったかもしれません。

memo [DVD]

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  • 発売日: 2008/06/25
  • メディア: DVD