映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アレクサンダー・マッケンドリック 監督「マダムと泥棒」1122本目

1956年の作品。
コーエン兄弟の「レディ・キラーズ」の元作品。あのマニア兄弟がリメイクするほど惚れ込んだのはどんな作品か、ずっと見たかったんです〜。レンタルしてない作品なので、テレビで見られてほんとうに嬉しいです。

老婦人は時代も時代なので、ほんとうに可憐でかわいらしい。英国の田中絹代だ。(実際似てる)
泥棒もなんだか牧歌的で人がいいです。
アレック・ギネスがまだ老成してなくてアクが強くていい感じ。
ピーター・セラーズもまるで別人みたい。ジョン・ベルーシって言われたら信じちゃうくらい、頬がプクプクで、まだ全然キャラクター確立してません。

ストーリーは二転三転して、どんどんドツボにはまっていきます。この辺からコメディというよりブラックになっていきます。コーエン兄弟版はそうとう人が悪いと思ってたけど、元作品もそうとうなものです!