すっごいサイケでヒッピーな映画!
ファンカデリックのCDジャケットみたいなヒッピーたち。長髪を切って軍隊に入るという「ヘアー」か。なんかそういう歌あったな。就職が決まって髪を切るとか…(cf.「いちご白書をもう一度」1975年)
思い切り反戦的で反体制的。ミロシュ・フォアマン監督といえば「アマデウス」や「カッコーの巣の上で」の強烈な印象が思い出されます。この映画が作られたのは1979年、舞台は60年代~70年代前半のベトナム戦争の反対運動が盛り上がっていた頃で、この映画にも強い反抗心があふれています。…1979年といえば私とかはまだ子どもだったんだけど、ちょっとませた子たちはアメリカの映画や音楽に興味を持ったものでした。なんとなく、自由とか反戦、反核、といったことが無意識のうちにけっこう体の芯に刷り込まれてたような気がします。
戦地に送られる青年の無名性、没個性、を最後にズーンと空しく感じて終わります。この唐突のアンチクライマックス、日本の舞台・映画の「The Winds Of God」を思い出しました。この映画の反戦文化ってアメリカの中でも特に西海岸的で、ヒッピーが創刊した「Whole Earth Catalog」を読んだ少年たちがその後、ガレージでITベンチャーを起業していったおかげでインターネットには良くも悪くも自由が横溢しているし、移民の第一世代第二世代の彼らは圧倒的にオバマ的民主党的LGBTレインボーな世界を志向しているわけで、ヒッピーは完全に絶滅したわけではないのです。
アメリカの白人と黒人のグループが、アジア人を殺そうとするなんて馬鹿げてる!って本気で言ってるのなんて、最近見てないから一瞬信じられない気がしてしまった。今ってかなり一触即発なのかもしれないですね。