映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

クライド・ブラックマン監督「ロイドの活動狂」457本目

トーキーだ!
1925年の「人気者」は当然のようにサイレントで画質も悪いけど、わずか7年後の1932年にはこれほどクリアな音質の音声もついて、画質も格段に良くなっています。

ロイドさん、甲高い声ですね。このとき39歳、まだ若いけどさすがに「小僧」って感じではないです。
しゃべる演技もとても良いですが、なんか現代的ですね〜。ウディアレンとか、そういう新しい軽妙なコメディ映画の役者さんみたい。もう少しぼーっとした低い声でゆっくりしゃべるイメージ(役柄が)だったのでちょっと意外です。サイレント映画って、「黙って口を開けて驚いてる」顔が多いんだけど、彼の声は「打てば響く、ずっとしゃべり続けてる人」っぽいのでした。頭の回転が早く、世渡りがうまい人っぽい。ロイドさんがトーキーの時代に生まれてたら、多分もっと違うキャラクターを生み出しただろうな〜。

で、映画では相変わらず、彼が関わると何もかもメチャクチャ。
NGを出し続ける場面では、ワイシャツに着物のようなものを羽織ってますね…。

で、奥さんのコンスタンス、スペイン語の真似うまいな〜。なんだかすっかり、80年代以降のラブコメ映画みたいです。
うん。この作品は楽しかった。この時代の映画にしては、ちょっと早すぎたんじゃないかな…。