驚くほど地味な映画だった。嫌いじゃないけど、映画館でうっかり寝てしまったらあっという間に終わってしまいそうな映画。ベルギーの映画だし、かつておののきながら読んだベルギーの小説家アメリー・ノートンの「午後4時の男」みたいな圧力のすごい映画かと思って見始めてしまったのが間違ってた。
ただひたすら、興味を持って凝視してしまったのは、主人公の若い医師の女性。彼女の、例えば理系のオタクな男の子にいそうな、感情を表に出す回路がちょっと弱いみたいな佇まいに、ひどく惹かれます。感情がないんじゃなくて、訪ねてきた少女の事件を聞いてだらだらと涙を落としたり、訪ねてきた女性を見送りしなにハグしたり、たまにそういう形で出てくるんだけど、普段は電信柱みたいに、でくのぼうみたいに無表情なのが、なんとも気になります。
でも多分、そこを見ることを期待した映画ではないみたいだ。もしそうだとしたら終わり方があっさりしすぎてる。うーむ、かなり濃い異次元の映画を期待しすぎてたのはわかってるんだけど・・・。
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