1970年の作品。千葉の住宅地といっても、電車の沿線の土地はまだまばらにしか開発されてなかった時代。
真っ赤なゴシック体で行頭記号までつけて表示されるクレジットが異様…。
美しい笑顔の加藤剛は平凡なサラリーマン。事件に巻き込まれそうな予感…そういえば、「砂の器」も野村芳太郎監督か。彼に絡む昔の知人に岩下志麻。
来客が絶えないやり手の彼の妻、小川真由美が奥さん連中とおしゃべりする話題がシャロン・テート事件。1969年に起こった事件なんだよな…。
男は未亡人との関係をすっかり深めていって、日常的に彼女の家に通ったり、外で手をつないで歩いたりしています。隣のバス停に自分の家があるのに…。この頃の不倫(という言葉はまだない、浮気というよりこれはもう「二号さん」だ)って、ずいぶんスリルの感じられない、楽観的なものだったんだなー。この危機感のなさ、落とし穴に落ちそうで心配…。渓谷に出かけても、幼い子どもをほったらかしにしていいムードになる二人。ちゃんと見ててやれよ~~
…結論として、加藤剛はアラン・ドロン並みの端正な二枚目なんだけど、清潔すぎて脂汗をかかないので、殺すの殺されるのという場面に似合わなさすぎるんだよな‥‥。でも昭和っぽさたっぷりで面白かった。