映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

行定勲 監督「パレード」1112本目

ありがちなトレンディドラマのような設定で、セリフや空気も心地よくけだるく作ってあるのに、最後の最後だけ唐突にアンチクライマックス。なんか嫌だな、こういうの。騙すことだけが目的みたいで。誰にも陰がなくて伏線も予感もない。

小出恵介がの先輩の彼女は、あまりにも待っていたかのように彼をカンタンに受け入れすぎだし、
貫地谷しほりが演じるような女性が、妊娠するまで現実が見えないわけないし、いろいろ不自然なことが連続するなかで、最後をあんなふうにドラマチックに?唐突に?演出するのって、この驚きはちょっとお化け屋敷ふうだ。
「あーびっくりしたー」より「(ニヤリ)そうきたか!」という映画の醍醐味を味わいたかった。(いや、本当は藤原竜也が本当は悪人ってのはむしろセオリーだけど)