映画スタジオでの撮影風景から始まる冒頭は、「出演 ブリジット・バルドー」といったテロップをわざわざ読み上げる声も入ります。なんじゃこりゃ。メタ構成?
ブリジット・バルドーはスッポンポンできれいで、赤ちゃんみたいに可愛い。(男性から見たらエロチックなのかな)「五月のミル」で知ったミシェル・ピコリが若くてBBとからんでるのが不思議でならないけど、この作品での彼はアート映画の小じゃれた青年ふう。しかもゴダールの化身として嫉妬深いのに妻を嫌いな男と同行させる、ひねくれた夫を演じています。しかも、妻は英語がほとんどしゃべれないのに、アメリカ人プロデューサーと。前の場面でフリッツ・ラング演じるフリッツ・ラング監督が「現代人は神の不在を見て安心したがる」と言っていたことが示唆するのは、妻の不在に妻を想うということなのでしょうか。
フリッツ・ラング本人はいったい何か国語しゃべれるんだ?と思ったら、オーストリア→ドイツ→フランス→アメリカ、と移り住んだ人だったんですね。どうりでフランス語が堪能だ。
ずっと無音なのにちょいちょい、変なタイミングで入るお葬式みたいな音楽も不思議。
そして、ゴダールが化体したピッコリが念じて妻と間男を呪い殺した?ような結末。
愛するが故の不毛を描き続けたのがゴダールだった、のかな…。