映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

マーク・ライデル 監督「黄昏」1684本目

人生における”たそがれ”を描いた映画はいろいろあるけど、この映画は切なくもユーモラスに、醜い部分が体にも心にもあるかもしれないけど、できるだけ綺麗に終わりを迎えたい映画です。

終わりを思うとき、始まりを思い出すのかな。中年といえる年齢に達している娘がまだ小さい頃に一緒に遊んだ池に、彼女のボーイフレンドの息子と一緒に出かけて、ボート遊びや釣りに興じる。ヘンリー・フォンダキャサリン・ヘップバーンが朗らかで仲の良い老夫婦をとても自然に演じています。娘を演じるのはヘンリーの実の娘ジェーン・フォンダ、彼女の夫の生意気な連れ子を演じたダグ・マッケイン君もよかった。普通にありそうな風景が、ある瞬間からかけがえのないものになる。明るくてとこか寂しい、いい映画でした。