映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジョン・ブアマン監督「殺しの分け前/ポイント・ブランク」3935本目

癖のある映画だなぁ。場面転換が唐突で、ヒントもなく突然回想の場面になったりしているらしく、筋が追えない。何度見てもよくわからない。男たちが飲んだくれている中で押し倒される場面は、人数が密集しすぎてるし、顔が近すぎて息苦しい。いちいち、もったいつけていて微妙にリアリティがない。こう脈絡がないということは、ほんとうはリー・マーヴィン最初に意識を失って、その後走馬灯のように過去のうらみつらみが頭をかけめぐってる?

「どんでん返し」がある感じでもなく、ひたすらリー・マーヴィンが復讐を続ける映画。なんともドロッとした味わいが独特の魅力ではあります。

リー・マーヴィンって、丸っこい鼻が上を向いててちょっと愛嬌のあるふつうの人っていう風貌なんだけど、どこまでも狂暴になれるような迫力があります。人を責めるとき眉毛一本動かさない。

しかしやっぱりつかみどころがわからない映画だったな…。3回も見たのに。