映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

リンゴ・スター監督「マーク・ボラン&T.レックス/ボーン・トゥ・ブギー 〜 ザ・モーション・ピクチャー」1356本目

映画だよね、これも。
ライブ映像は1972年3月18日にロンドンのウェンブリーで行われたものらしい。
これは彼らにとって、Get It Onの後で20th Century Boyの前ってことだ。
Telegram Sam、Children of the Revolution、あたりが一押しだった時期。

昨夜渋谷のクラブ・クアトロで、ライブ用の音響機器を使った「爆音上映」というのに行ってきたのですが、こんなにマーク・ボランが可愛いと思ったのは初めてでした。もう、かれこれ30年以上ファンをやってるのに。
一方、昨夜映画のあとに上映されたほぼ同時期のウェンブリーでのライブ映像は、何がその間にあったんだろう、野生動物のような可愛らしさより、すっかり調子に乗った自分勝手なアーティストっぽさが目に付きます。
それでも恐ろしくチャーミングなんだけど。

「ボーン・トゥ・ブギー」ではリンゴ・スターが兄のようにマークを可愛がっていて、微笑ましい。
だんだん引き込まれていって、もっと見たい、もっと見たいって思うけど、あっちはもう「この世」じゃないんだよね。メンバーみんな死んじゃってて。死んだ人たちの生きてた頃の姿に夢中になるのって、なんか引き込まれて魂を抜かれそう、なんて思ったりします。
ミッキー・フィンは、ゲバラとMrビーンを足して二で割った感じ。マークに惚れ込んでる感じが伝わって来る。

これを家じゃなくてライブハウスで見られてよかったです。おやすみ、マーク。