デイヴィッド・リーンですよ。新大陸へ大旅行をする大映画をたくさん残した、「インドへの道」「アラビアのロレンス」の。
オリヴァ君は端正なんだけどいじめられ続けて悲壮感が漂っています。彼が流れ着いた泥棒の親方はアレック・ギネス。まだダークサイドです。1948年の映画だからまだ34歳!なのに、魔法使いみたいなつけっ鼻の独特な容貌で、おじいさんみたい。彼のところに出入りする女、現れたとたん、ヘレナ・ボナム・カーターかなと思ってしまいました。彼女のこれ系のキャラはかなり鉄板ですから…。
映画は、最初のほうはひたすらオリヴァが不憫なのですが、彼がよい男性に助けられてからのアレック・ギネスやヘレナ・ボナム・カーター(出てないです、本当はケイ・ウォルシュ)、警察や町の人たちや犬、入り乱れての大騒ぎがなかなか面白いです。
下手すると、オーストラリア~タスマニアに送られてたかもしれない時代。DNA鑑定どころか血液型検査もしていなかった時代に、孤児として育てられた子どもの身元を探すなんて大変なことだったと思います。
でもひるがえってこれが現代だとしたら、トレインスポッティングの悪ガキたちがこの子達に取って代わったってことなのかな…。どちらがどう深刻なのか私には比べようもないのですが…。