映画史の中で語られる「化け猫女優、入江たか子」について、一本くらいは見ておこうという趣旨でレンタル。でも本当は、戌年生まれで猫嫌いの父が、母に内緒でこっそり「小さい頃に見た化け猫映画が怖かった」と話してくれたことが忘れられなかったこともあります(笑)
悪さばかりする猫「タマ」を飼っているのは、 殿様の側室のひとり。古参の側室からの妬みもあって愛猫を手放したが、嫌がらせはエスカレートする一方。げに恐ろしきは嫉妬ですな…。当人たちは義憤だと自分に思いこませているから反省することがない。
意地悪チームもいじめられっ子チームも、じつに美しい人たちです。入江たか子って、無声映画時代のハリウッド女優みたいな面長美人ですね。
1954年って昭和29年。このとき入江たか子、実は43歳。かなりクリアな白黒映像ですが、HDとか4Kだったら姫の役は難しかったかも?(カラーだったらなかなかのスプラッター映画になったかも)鐘楼にぶら下がるお女中、香を焚いた屏風の間の死体、勝手にめくれる布団、暗闇から現れる幽霊…。化け猫化した「おたき」に起こされて新体操ばりの動きを見せるお女中たちの動きも見事。シリーズ的に角川で映画化したらなかなか面白い映像になったかも!?
生首が飛び回る特撮の場面で流れる「ヒュ~ドロドロ」は、円谷プロの特撮映画と似てるなと思ったけど、「ウルトラQ」が1966年だから、これより10年以上後です。化け猫映画は時代の最先端を行ってたのだ!
それにしても、私に何かあったら、うちの猫も仇を取ってくれるかなぁ~。。。
DVDに収録された、大林宣彦監督と入江若葉の対談も、すごく良かった!