映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

ジャスティン・ペンバートン 監督「21世紀の資本」2976本目

U-NEXTの月額についてくるポイントで、引き続き有料作品を見てみます。(※U-NEXTは無料枠内で見られる作品がすごく多くて、すっかりTSUTAYAを使わなくなってしまった)

ピケティってフランス人か。 700ページの経済書が映像にするとたったの103分になるのか!なんとなくBBCドキュメンタリーみたいだと思ったら、Studio Canalってフランスの制作会社なんだな。

内容は、具体例(過去の映画など)を多用していてとてもよくできてるけど、言ってることは「だいたい知ってる」感じもします。貧富の差は広がり、革命が起こり、また別の中流階級が発生、という流れがあって、バミューダ諸島で膨大な利益を計上してるGoogleみたいな冗談のような会社が出てきてしまう。(マイクロソフトさんは一時期シンガポールに全部日本の利益をつけてたけど、日本法人の社長が日本人になったときにそれじゃいかんって言って新しい日本法人を立ち上げて税金を払うことにしたっけね)マーク・ザッカーバーグも「累進課税上等、払うぜ俺は」って言ってたし、どんどん取っちゃえばいいんじゃないでしょうか。「払う」とか言ってる大富豪もなかなか、イヤミかもしれないけど…。

もやもやするのは、この映画は、世界を不可逆的に変えつつあるコロナ禍の前のものだということ。最近のピケティの発言をググってみたら、やっぱり「富裕層に増税してコロナ禍の不平等を是正しよう」と言っててる。この記事が掲載されてるのが2021/5/16付けの「赤旗」という事実は、ピケティの政治志向を表してるってことでしょうか。。。

でも面白かったよ、この映画。時代ごとの映像にはリアルが記録されてるから、集めるとなかなか力を感じるなー。

21世紀の資本 [DVD]

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  • 発売日: 2020/11/04
  • メディア: DVD