これ、瀬々監督だったんだ。トレンディドラマの流れで妻夫木聡と檀れいを主演に作られた映画っぽいけど。
12年前の作品。12年って長い。妻夫木くんはまだ高校生でも通りそうな初々しさだし、佐藤浩市も壮健な感じだ。
この映画では、感染者のうち数割という高率で亡くなっています。今日本で発病しているCOVID-19より症状が重いのに、医師がマスクだけの軽装なのが、今の私たちには気になってしまう。感染源は鶏?(以下ネタバレあり)…と思ったら違った!というか、最初の感染源を特定するのは最初の仕事なので、映画中盤までわからないということは、ありえないですね。「コンテイジョン」も見てるし、私たちもうそのくらいの知識は誰でも持ってる。
それにしても、WHOあがりの檀れいが「トリアージュ」判断を疑われたあとで泣き崩れるとか、山伏のような研究者くずれの人に精鋭多数×最新の機器による研究が負けるとか、感染源だと疑われるアボンという国に着いてもガイドがいないとか、現場の動線とか判断基準とか士気とかをまるでフィクションで塗り替えてしまう演出が、テレビっぽくて好きじゃないなぁ。現場の人たちが命がけで本物の恐怖と戦ってるのに「かくし芸大会」くらいの訓練で何でもやれるみたいに安易な映像化をこなしちゃってる。これ見て泣いたりしたくないなぁ。。
アボンというのは明らかにフィリピンだな。この国から始まり日本で広がったのに、それ以外の国への広がりについてまったく触れられないのも、他の国に興味ないんだなぁ。
こういう映画って、「人を感動させるには?」っていう方法論を研究するとできそうだ。まあ、そうやって作られた出来のいいアメリカのドラマシリーズとかで感動しちゃうこともあるんですけどね…。 と不機嫌になってしまうのは、好きじゃないので普段見ないジャンルの映画を見てしまったからでした…。