うん、これは良かった。この映画を見るのに、「永遠のこどもたち」「怪物はささやく」から来る人って多分珍しいほうだろうな。(もっと言うとプロデューサーのペドロ・アルモドバルから来たんだけど)その順番で見たからこそ、「怪物はささやく」の次の作品だと実感できるのです。この世界に命を与えられてまだ戸惑っている繊細な生き物たちとしての、恐竜たちと子ども(メイジー)の生命が、監督のこれまでの作品の中の弱きものたちと同様、愛しく思えます。
琥珀の中のDNAから再生させた恐竜たちの、科学の面白さや動物としての魅力や怖さ、自分たちが感じる恐怖、といったことに目が行きがちだった最初のジュラシック・パークからみて、制作者たちも成熟してきたのだ、きっと。生命の不思議さ、大切さ、失わて行くものの美しさ、といったところを細やかにすくいあげられるバヨナ監督は、この時点でのこの作品にまさにぴったりだったんじゃないかと思います。
バヨナ監督でなければ見なかった作品です。新しい出会いに感謝。