映画と人とわたし by エノキダケイコ

映画は時代の空気や、世代の感覚を伝え続ける、面白くて大切な文化だと思います。KINENOTEとこのブログに、見た映画の感想を記録しています。

アルフォンソ・キュアロン監督「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」3678本目

この作品だけ、監督はアルフォンソ・キュアロン。なかなかの抜擢だと思いつつ、「ROMA」以降彼は何をしてるんだろう? ワーナースタジオを思い出しながら、ハリーの家や3階建てバスを楽しんでいます。バスの車掌さんもブリティッシュ・アクセントがいいなぁ…

ステファン・ノヴィツキ監督「アメイジング・グレイス アレサ・フランクリン」3677本目

見損ねてた作品がU-NEXTに戻ってきたので、さっそく見てみます。 私はブラックミュージックに詳しいほうじゃないけど、若い頃の音楽好き仲間はアメリカのルーツミュージック好きが多くて、アレサは彼らの女神でした。 若くてパワフルな歌声が、まっすぐ心の…

クリス・コロンバス監督「ハリー・ポッターと秘密の部屋」3676本目

ハリポタスタジオに行った後に昔の作品を見直すシリーズ、第二弾。3人が少し大きくなりました。 ダンブルドア校長を1,2で演じたリチャード・ハリスは、若い頃はちょっとジュード・ロウ系の輪郭で、このままずっと演じられたら「ファンビ」への移行が自然…

クリス・コロンバス 監督「ハリー・ポッターと賢者の石」3675本目

ハリポタ熱烈ファンの教え子にくっついて、としまえん跡「スタジオツアー」に行ってきました。本物のセットの中で遊ばせてもらって、その巨大さと精巧さに感激・・・という体験。映画を見てからかなり時間がたっているので、メモリーリフレッシュするため、…

三島有紀子 監督「Red」3674本目

<ネタバレあります> 評点低いっすね~。公開時はスルーしてしまったけど、女性が作った女性のための映画だと何かで見たので、KINENOTEでは少数派と思われる女性参加者として見てみて、感想を書いてみたいと思います。 冒頭すぐ、不倫相手らしき妻夫木聡と…

英勉監督「東京リベンジャーズ」3673本目

なるほど、こういう映画なんだ。割と面白かった。タイトルと絵ヅラから、若いやくざの抗争映画かしらと思ってた(それも合ってる)けど、”最近はやりのメタバース”や初々しい恋愛もちりばめて、若手の勢いのある俳優がたくさん熱演してることもあって、楽し…

ジュリアン・テンプル監督「ビギナーズ」3672本目

1986年の作品。 当時ミュージックビデオで人気だった監督が撮ったこのコマーシャルでエンタメな音楽映画を今なぜ見るかというと、デヴィッド・ボウイが出てるから、というだけじゃなくて、楽曲がすごく懐かしいから。当時映画は見てないけど、サントラを聴き…

水田伸生 監督「アイ・アム・まきもと」3671本目

「おみおくりの作法」をリメイクしたくなる気持ちもわかるし、日本なら誰だろう?と考えてみたら、阿部サダヲでもいいかもしれない。元ネタの「おみおくりの作法」はさらっと見て最後にグッときてしまったので、これもまず最後まで見てみます。 いつもはあん…

クリストファー・マッカリー監督「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」3670本目

暑いし忙しいし映画の日だし、何かスカッ!とするものを見ようと思って行ってきました。結果・・・めちゃくちゃスカッとしました。娯楽映画ってこういうのですよね。 身体張って命がけのアクションに挑むトム・クルーズを見るたびに、「要心無用」という昔の…

パトリック・ジュディ監督「ジェラール・フィリップ 最後の冬」3669本目

ドキュメンタリーに原作があるってどういうことだろう?ストーリーの部分は本によるんだろうな、でも家族で撮ったビデオみたいな映像面の重要な部分は、あとで付け足したというのはもったいないくらい。 映画を毎日のように見るようになった10年くらい前に、…

カンテミール・バラーゴフ監督「戦争と女の顏」3668本目

この映画が2019年にロシアで作られたなんて、ほんとに謎な国だ。女性における戦禍をこんなにさらけ出して厳しく批判しておきながら、今は隣の国をためらいなく攻撃している。少ししか知らないけど、あの国にあっては、いろいろな考えや気持ちが一人の人の中…

ホン・サンス監督「あなたの顏の前に」3667本目

<ネタバレあります> 韓国語のタイトルをそのまま訳した邦題だけど、意味がよくわからなかった。このフレーズ、せりふにありましたか?見逃したかな。 ホン・サンス監督作品は、敬愛するユペールせんぱいつながりで「3人のアンヌ」を見ただけでこれが2本目…

クリント・イーストウッド監督「クライ・マッチョ」3666本目

2022年のキネマ旬報ベストテン入賞作品のうちまだ見てなかったものが、U-NEXTにいくつも入っていると気づいて片っ端から見てる。 イーストウッド監督作品を5本も10本も見た人なら、サムネイル写真と短い解説を読んだだけでこの作品がわかるような気がしてし…

久保田直監督「千夜、一夜」3665本目

静かな映画だなぁ。同じ田中裕子が出てた「いつか読書する日」を思い出した。 この映画の印象は、静かだけどズン、ズン、と同じ調子で畳みかけてきて、第一印象よりは熱い作品だな。田中裕子の(「怪物」でも見せた)隠れた狂気みたいなものが夜の闇に漏れ出…

デレク・ツァン 監督「少年の君」3664本目

美しくてとても切ない作品だった。 チョウ・ドンユイ。すごい若さ!撮影時26歳だけど高校生といっても幼いくらいに見える。一方のイー・ヤンチェンシーは当時17歳の現役高校生だ。彼の方がたくましく大人に見える。 いじめって、主導者になる者はとてつもな…

ジェームズ・フランコ 監督「チャイルド・オブ・ゴッド」3663本目

R.I.P.コーマック・マッカーシー。「ノーカントリー」も同じ原作者ということは、この作品も救いのないバイオレントな作品か、と思う。でも冒頭でこの主役レスリー・バラッドは「神の子」と呼ばれる。そうか、この人には障がいがあるのか。ということは、ノ…

ジュゼッペ・トルナトーレ 監督「モリコーネ 映画が愛した音楽家」3662本目

すごい感動的だなぁ。 私は恥を忍んでいうと、モリコーネの映画音楽で印象に残っているのは「ニュー・シネマ・パラダイス」や「続夕陽のガンマン」のメインテーマくらいで、膨大な数の名作を見ていながら音楽にあまり注意をひかれていませんでした。この場で…

S.S.ラージャマウリ 監督「RRR」3661本目

なんて暑苦しくてエネルギッシュな映画でしょう。画面からあふれ出て押し寄せるカロリーがすごくて、見てるだけでインド人になってしまいそう。 今までに見た数少ないインド映画には、家族の愛情や、身分違いの恋や、宗教対立を果敢に描いてきたものなどがあ…

なるせゆうせい監督「縁の下のイミグレ」3660本目

見る前は、尺が76分と短いので、こじんまりと終わっちゃうのかな?とか、シリアスすぎたら楽しめないかな?などと心配しましたが、なかなか濃くて面白い「シチュエーション・コメディ」でした。 ベトナムから来た技能実習生がトラブルに見舞われ、彼女を守り…

沖田修一監督「さかなのこ」3659本目

2回め。優しい映画だな、やっぱり。みんなこんなに優しかったらいいのにね。 そして、ほんとリアリティじゃなくてファンタジーに8割くらい傾いた作品だったなと思う。人の優しい部分をどんどん引き出すさかなクンやミー坊は偉大だ。 自分がエキストラとして…

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」3658本目

「ホーム」シリーズ第二作。第一作はワザとローテクに作ってあったな、と改めて思う。こっちのほうが全体的にスピーディでエンタメ性が高い。 それに・・・ジェイク・ギレンホールは私の中では常にポイント高いんだよなぁ。彼が出てる映画はちょっと変ですご…

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ホームカミング」3657本目

「ノー・ウェイ・ホーム」を先に見てしまったけど、さかのぼってこれも見ました。 トム・ホランド、ほんとに普通のアメリカの少年みたいね。テーマ曲が懐かしのラモーンズだなんて、ちょい懐かしめの学園ドラマっぽい。よくできてるけど、学園ドラマのつもり…

ジョン・ワッツ 監督「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」3656本目

見る順番をまた間違えた。スパイダーマンの「ホーム」シリーズの最新のだった。 トビー・マグワイアは見たかもしれないけど記憶がなくて、アンドリュー・ガーフィールドは見てない。おかげで前者はサイダーハウス・ルールとギャツビーの”傍観者”的イメージの…

ボブ・ペルシケッティ/ピーター・ラムジー/ロドニー・ロスマン監督「スパイダーマン:スパイダーバース」 3655本目

教え子がめちゃくちゃ最新作を推すので、まずこれから見てみることにしました。(本当は最新作が実写版だと勘違いして「ノー・ウェイ・ホーム」を見てしまったけど、そっちの感想はあとで) 「エブエブ」の感想で「最近流行りのマルチバース作品」と書いてる…

アキ・カウリスマキ監督「パラダイスの夕暮れ」3654本目

1986年、アキ・カウリスマキ監督の初期の作品。 まだ若いお姉ちゃんという感じのカティ・オウティネンは、今年になってから何度も仕事をクビになっている。ごみ収集業のマッティ・ペロンパーが彼女と出会ってナンパします。この方、「モーゼに会う」1994年の…

アキ・カウリスマキ監督「レニングラード・カウボーイズ、モーゼに会う」3653本目

U-NEXTに未見のアキ・カウリスマキ作品がいくつも入ってきたので、喜んで次々に見てみたいと思います。1994年作品。1989年の「ゴー・アメリカ」の二匹目のどじょうってやつですね。レニングラード・カウボーイズは「ハノイ・ロックス」と同様、関係ない地名…

佐藤祐市 監督「キサラギ」3652本目

阿津川辰巳の作品集「透明人間は密室に潜む」の中にアイドル関連の事件を裁判員たちが審判するという短編があって、その流れでこの作品の名前が目につきました。2007年の作品。文化的には大きく変わってない気がするけど、まだスマホじゃなくてケータイの時…

ルイス・ブニュエル監督「熱狂はエル・パオに達す」3651本目

これもDVDレンタル。 メキシコのブニュエル監督が撮ったフランス語作品か。主役がジェラール・フィリップだからだな。そういえば冒頭からのナレーションの声がジェラール・フィリップだ。 舞台の島はカリブ海のどこかのようだけど、OjedaやEl Paoという地名…

ロベルト・ロッセリーニ監督「無防備都市」3650本目

イタリアのネオリアリズモということは、「自転車泥棒」と同じジャンル? あれは孤独な父子の貧しい生活だけがぽつんと描かれた映画だったけど、これは熱く抵抗し、熱く戦った男たちと女たちと子どもたちの映画だった。救いのなさは似てる。 レジスタンスの…

エドワード・ヤン監督「ヤンヤン 夏の想い出」3649本目

やっと見ることができました。TSUTAYA DISCUSでDVDを借りるのは久しぶり。何年もこの作品を「見たいリスト」に入れてたけど、ずっと品薄で。最近はDVD借りる人が減ったので在庫があったのかな。 やんちゃな男の子の明るい物語・・・のわけないか、エドワード…