2023-01-01から1年間の記事一覧
なんて暑苦しくてエネルギッシュな映画でしょう。画面からあふれ出て押し寄せるカロリーがすごくて、見てるだけでインド人になってしまいそう。 今までに見た数少ないインド映画には、家族の愛情や、身分違いの恋や、宗教対立を果敢に描いてきたものなどがあ…
見る前は、尺が76分と短いので、こじんまりと終わっちゃうのかな?とか、シリアスすぎたら楽しめないかな?などと心配しましたが、なかなか濃くて面白い「シチュエーション・コメディ」でした。 ベトナムから来た技能実習生がトラブルに見舞われ、彼女を守り…
2回め。優しい映画だな、やっぱり。みんなこんなに優しかったらいいのにね。 そして、ほんとリアリティじゃなくてファンタジーに8割くらい傾いた作品だったなと思う。人の優しい部分をどんどん引き出すさかなクンやミー坊は偉大だ。 自分がエキストラとして…
「ホーム」シリーズ第二作。第一作はワザとローテクに作ってあったな、と改めて思う。こっちのほうが全体的にスピーディでエンタメ性が高い。 それに・・・ジェイク・ギレンホールは私の中では常にポイント高いんだよなぁ。彼が出てる映画はちょっと変ですご…
「ノー・ウェイ・ホーム」を先に見てしまったけど、さかのぼってこれも見ました。 トム・ホランド、ほんとに普通のアメリカの少年みたいね。テーマ曲が懐かしのラモーンズだなんて、ちょい懐かしめの学園ドラマっぽい。よくできてるけど、学園ドラマのつもり…
見る順番をまた間違えた。スパイダーマンの「ホーム」シリーズの最新のだった。 トビー・マグワイアは見たかもしれないけど記憶がなくて、アンドリュー・ガーフィールドは見てない。おかげで前者はサイダーハウス・ルールとギャツビーの”傍観者”的イメージの…
教え子がめちゃくちゃ最新作を推すので、まずこれから見てみることにしました。(本当は最新作が実写版だと勘違いして「ノー・ウェイ・ホーム」を見てしまったけど、そっちの感想はあとで) 「エブエブ」の感想で「最近流行りのマルチバース作品」と書いてる…
1986年、アキ・カウリスマキ監督の初期の作品。 まだ若いお姉ちゃんという感じのカティ・オウティネンは、今年になってから何度も仕事をクビになっている。ごみ収集業のマッティ・ペロンパーが彼女と出会ってナンパします。この方、「モーゼに会う」1994年の…
U-NEXTに未見のアキ・カウリスマキ作品がいくつも入ってきたので、喜んで次々に見てみたいと思います。1994年作品。1989年の「ゴー・アメリカ」の二匹目のどじょうってやつですね。レニングラード・カウボーイズは「ハノイ・ロックス」と同様、関係ない地名…
阿津川辰巳の作品集「透明人間は密室に潜む」の中にアイドル関連の事件を裁判員たちが審判するという短編があって、その流れでこの作品の名前が目につきました。2007年の作品。文化的には大きく変わってない気がするけど、まだスマホじゃなくてケータイの時…
これもDVDレンタル。 メキシコのブニュエル監督が撮ったフランス語作品か。主役がジェラール・フィリップだからだな。そういえば冒頭からのナレーションの声がジェラール・フィリップだ。 舞台の島はカリブ海のどこかのようだけど、OjedaやEl Paoという地名…
イタリアのネオリアリズモということは、「自転車泥棒」と同じジャンル? あれは孤独な父子の貧しい生活だけがぽつんと描かれた映画だったけど、これは熱く抵抗し、熱く戦った男たちと女たちと子どもたちの映画だった。救いのなさは似てる。 レジスタンスの…
やっと見ることができました。TSUTAYA DISCUSでDVDを借りるのは久しぶり。何年もこの作品を「見たいリスト」に入れてたけど、ずっと品薄で。最近はDVD借りる人が減ったので在庫があったのかな。 やんちゃな男の子の明るい物語・・・のわけないか、エドワード…
<結末についての考察やストーリーについて書いています> 迷いに迷って結局、新宿歌舞伎町にできたばかりの109シネマズプレミアム新宿で見てきました。YMO世代の私は坂本龍一の逝去がかなりショックで、彼の最後の映画音楽を、彼が音響をプロデュースした映…
公開すぐに劇場で見たけど、今度は家でVODで見ました。 佐藤正午は、今いちばん本当に面白い小説を書く作家だと思ってる(40年くらい前から)。日常から逸脱に逸脱を重ねて、どこまでも途方もなく遠くまで行ってしまうプロットを、推敲に推敲を重ねて仕上げ…
先に「女神の継承」を見てしまって、「コクソンの方が怖かった」と書いてる人が多かったので、どれほどおどろおどろしい作品なのかと思ったら、國村隼は見慣れていて少なくとも”異形”ではないし、村の駐在さんクァク・ドウォンが愛嬌たっぷりで(サモハンキ…
<結末に関する個人的な洞察が含まれています>(というほどのものではないけど) 本格的な作り込んだホラー映画(「ヘレディタリー継承」みたいな)かと思って、時間と心の余裕のあるときまで見るのを取っておきました。素朴な郊外の風景をそのままドキュメ…
また見てしまった。とうとうDVD買ったし。しかし画質良くないな、またアマプラかU-NEXTに入らないかな~。(Blu-Ray買えばよかった) また見たきっかけは、最近オペラとか見てる流れで劇団四季の「オペラ座の怪人」を見て、その原作も読んだらやっぱりこれを…
これもまた、見た後のあたたかい気持ちが、スピルバーグ。という作品でした。 ミシェル・ウィリアムズやっぱりうまい。悲痛な、身体の奥から湧いてきて止められない悲しみや渇望が、見ているものの胸にそのまま伝わってくる。これは、映画に夢中になった男が…
新宿JAMの存在くらいは知ってたしコレクターズのライブもどこかで見た記憶のある元ロック娘の私でも、この映画の存在は知らなかった。これからこの映画を見る人はどれくらいいるんだろう。みんな見ればいいのになぁ。 JAMの場所は東新宿のほうなのか。全く行…
<いろいろネタバレあります> 何やら陰鬱な表情の、若い田舎司祭が新しく村にやってくる。「ラルジャン」のロベール・ブレッソン、誰にでもある良い心と悪い心の葛藤や、悪運に巻き込まれて逃れられない運命を、あの映画でも描いてたように思います。 この…
公式に医師の手に寄らず堕胎するって、最悪どういうことだろう・・・と想像したおそろしいことが一通りぜんぶ時系列的になぞられた映画でした。さすがアニー・エルノー、今たぶん世界一自分を客体として観察できる人。一切目を背けずに、”そのこと”を写し続…
これは、胸に来るな・・・。戦後の混乱のなかを必死で生き抜いてきた人たち。世の中のモラルは、いつも後付けなのだ。一番大切なのは、生きること。それと、愛すること。その二つをまっとうした美しい生命たちの可憐な姿をいくつも見せてもらいました。 元次…
枯れた味わいのある、山菜や筍の土くささが漂ってくるような作品。河瀨直美の一連の作品や、「リトルフォレスト」や、NHKの「やまと尼寺 精進日記」など、山のものを料理するいろんな映像を思い出す。(お通夜の日にネクタイ締めて料理している沢田研二は、…
「トータル・リコール」「氷の微笑」、イザベル・ユペールの「エル」を監督した、あのバーホーベン監督の2006年の作品。全編ドイツ語です。この監督の作品は、人物のたたずまいがリアルで、よく知っている誰かを見ているような生々しさがあります。(たとえ…
アイデアは既視感がある。でも安藤サクラ、窪田正孝、妻夫木聡をはじめとする役者さんたちの演技がよくて、ぐいぐいと見せてくれました。出自を偽りたい事情のある人はたぶんたくさんいて、それぞれに深くて暗い物語があるから、まだまだ映画はこのテーマを…
これは那覇から戻ってくるANAの機内で見た。機内で映画を見る時代が戻ってきたのね、としみじみ・・・。那覇や石垣行きでもなければ、国内線でちゃんと映画一本見切れないもんね。 この作品はとにかく、ヒロインのベラを演じるジェシカ・ブラウン・フィンド…
せっかくGWに沖縄で羽根を伸ばそうというときに、ついこういう作品を選んでしまう。やんばるの森で2泊する前の夜に、那覇で街歩きしたあと、ホテルの無料VODで見ました。本土のVODでこの作品を見かけたことはありません。今は世界遺産になった森を舞台に行わ…
立派な20世紀FOX映画だけど、日本で劇場公開されなかったのでKINENOTEには載ってません。(Netflix作品を1日でも公開すれば「映画」扱いだったりする、この扱いの不均一・・・。) 実は一度VODで課金したのに、ちゃんと見ないうちに期限切れにしてしまいまし…
見るのが辛いかな、と心配しながら見たけど、金子文子を演じたチェ・ヒソとパクヨルを演じたイ・ジェフンがあまりにもチャーミングで、普遍的な物語として見ることができました。映画の冒頭に、パクヨルの「日本の民衆には親しみを感じている」というセリフ…