2023-01-01から1年間の記事一覧
久しぶりにこういう映画を見た気がする。こういう、というのは、非力な傷ついた者たちの静かな諦念が、リアリティをもって伝わってくる映画、ということ。 現実の犯罪サバイバーのその後は、人の数だけ違うパターンを描くんだろうけど、物語のなかで描かれる…
タイトルは間違いではないけど、地下室っていうと密閉された倉庫か何か、少なくとも客を入れたりしない録音スタジオかなと思う。これはイーリング・クラブという、かつてロンドン郊外で一部のコアなブルースマニアたちを熱狂させたライブハウスのお話。 ブル…
<結末にふれています> 4月だし何かちょっと勉強しようかな、中国語なら第二外国語でやったから、中級講座からいけるんじゃないか・・・とNHKラジオの「ステップアップ中国語」のテキストを買ったら、3か月かけてこの映画の脚本の色々なフレーズを学ぶとい…
マリリン・モンローの伝記を書いた作家が、残されていたインタビューテープを元に、彼女の人生と死に至った経緯をさぐるドキュメンタリー。 こんなに可愛い、誰もが愛さずにいられなかった女性が、どうして10回も里親を変えられたりするのか、どうして幸せじ…
最初のほうはみんな、演技がかたいなぁと感じました。監督の初期の自主制作作品みたい。 椎名桔平が演じてるのは、面白い男だなぁと思うけど、「冷たい熱帯魚」のでんでんや「凶悪」のリリー・フランキーみたいな背中が鳥肌立つようなうすら寒さはなかった。…
<ストーリーに触れています> 「イン・ザ・ハイツ」と同じ監督なんですね。で、原作となった戯曲を書いたジョナサン・ラーソンは「RENT」の作者。彼はこの戯曲とRENTを書いてすぐに亡くなってしまった。 この映画のなかで、主役のジョン(ジョナサンの略「J…
これもNetflixでしか見られないやつ。マリリン・モンローに対する性暴力の実際の有無や表現に対する疑義がさかんに語られた問題作ということで、見るかどうかも迷ったけど見てみました。 アナ・デ・アルマスは適任だと思う。マリリン・モンローに似ているか…
<結末にふれています> これは見ごたえあったなぁ。見る前にいくつか他の方の感想を読ませていただいたのですが、かなり違う印象を受けた気がします。面白いなぁ、多分もともとの興味の方向性とかで違ってくるんでしょうね。 最初は、カンバーバッチ演じる…
この映画は、ショービズのきれいな部分を一枚めくったら見えるお金と欲を描いているけど、プレスリーの妖しい美しさは感じられなかったし、ワイドショーみたいにテレビっぽく思えて、あまり感動できなかったなぁ・・・。映画のタイトルは「エルヴィス」では…
これもまだ見てなかった。1980年代に韓国からアメリカへ移住して農業に従事した人々の物語。1980年代なんてつい最近だ。Windowsだってバージョン1と2は1980年代の発売だ。私が中学~高校~大学と通学してた時期の話。「ジャパン・アズ・ナンバー1」が売れ…
<ストーリーに触れています> ミシェル・ヨーのボンドガールをそういえば見てないかも?と思って見てみました。 ボンドガールって印象じゃないですね、綺麗なのにあまりにデキるので、ボンドの相棒(あるいはライバル)にしか見えない。彼女を主役にしたハ…
<結末にふれています> 名高い1930年版の旧作を見た記憶があるけど、感想は書いてませんでした。詳細はほとんど忘れてしまったけど、戦争をずっと経験してきてなんの希望も持たなくなった主人公が最後にやられて、それにもかかわらず戦場から本国へは「西部…
映画のデザインセンスやテンポが変わってる。往年のソール・バスの焼き直しみたいなタイトルとか。それと、強烈に豪華なキャスティングがまず印象的です。 彗星を発見した主役の二人はジェニファー・ローレンスとレオナルド・デカプリオ。切れ者の若い女性と…
これ公開されたら見に行こうと思ってたけど、映画館では上映されなかったのね。他で見られない作品がだいぶ溜まってきたので、とうとうNetflix加入しちゃいましたよ。(見たいの全部見たらすぐ解約するかも) そういえば、前作もすごく楽しかったけどトリッ…
テーマはあまりに見慣れてるように思えたけど、見てみたら実に魅力的な作品でした。キャラクターもストーリーも頭に入ってるのに、表現だけの違いがすべてだといってもいいのかもしれません。 デル・トロ監督なので、子どもの純真さを哀しく描いて胸を打つの…
日本ではこんなに本格的な法廷ものの映画って少ないんじゃないかな?構成も背景調査もしっかりした作品で、映画としての出来はすごく良かったと思います。 一方、取り上げられた事件そのものについてはどうなのか?・・・一昨日この映画を見に行ってから、あ…
「バクマン!」の題材をアニメにしたような作品かと思って見てみました。あれも面白かった。あっちはジャンプの人気マンガが原作、こっちは意外にも辻村深月が原作。映画になった作品を並べて見てみると、原作の形態の違いはあまり気になりません。どっちも…
この映画は、見始めてすぐ、あみ子ヤバいぞ!と気づいて、病院から赤ちゃんを抱かずに帰ってきたお母さんに「赤ちゃんは?」「赤ちゃんは?」と大声で毎日100回繰り返して、家族総出でボコボコにされるのかな、とドキドキしました。これは義母の視点。私もピ…
「エブエブ」のミシェル・ヨーの若い頃のアクションを見てみたくなって、U-NEXTを検索したら入ってたのでさ~っとアクションの場面を中心に流して見てみました。 ほぼ今から30年前。ちょっと堅いですね。今のほうが圧倒的に妖艶で迫力があります。白雪姫に出…
<映画の内容や感想については一切触れていません> これも村田喜代子「偏愛ムラタ美術館【発掘篇】」で紹介されていた黒澤監督の絵コンテ集を見て、改めて見直さずにいられなくなりました。 本で紹介されていたのは、原田美枝子が草原に倒れている場面。あ…
村田喜代子「偏愛ムラタ美術館【発掘篇】」という本を読んだら、黒澤明の絵コンテ集のことが書かれていました。映画より絵コンテのほうを強烈で面白いと感じる著者に共感するところがあったので、本で絵コンテが引用された映画をさらっと何本か見直してみよ…
「スイス・アーミー・マン」で一度呆れているので、何の期待もしないで見ました(笑)。なんか旬だし。で、前作同様、子どもの心を持ち続けてる人たちが作ったと感じる部分も多いけど、どこか汎世界観というか汎次元というか、タイトル通り一瞬はすべてです…
Skypeがかかってくるときの音がトラウマになりそうだ・・・ 内容は予想通り。長年、痴漢にもセクハラにもパワハラにもいろいろあってきた方だと思うけど、どんな人にも美しい面とみにくい面があって、自分より下に見ている人に対して平気でみにくい面を見せ…
アカデミー賞に背を向けるかのように「サザエさん」に続いてピンクレディと昭和にさかのぼってみる。 1976年にデビューしたわずか2年後、1978年12月公開の映画初作品。すでに「ペッパー警部」「SOS」「カルメン77」「渚のシンドバッド」「ウォンテッド」「UF…
1956年公開、江利チエミを主役に作られた実写版のサザエさん。面白かったー。サービス精神旺盛な娯楽映画です。 江利チエミ、屈託なくおっちょこちょいのキャラクターがぴったりです。このキャラだと母フネ(きれいだなと思ったら清川虹子!)が口うるさくな…
この映画と「空白」がダブって見えて(伊藤蒼=伊藤蒼、古田新太≒佐藤二朗)、なかなかこちらを見るに至らなかったんだけど、やっと見ました。あっちは父が娘の軌跡を追い求め、こっちでは娘が父を探す。 死しか見えなくなった人たちの行きつく先って、もう…
ITといってもピエロの恰好をした怖いやつではありません。「バビロン」を見たので、探してこれも見てみました。今から100年近く前に作られたなんて信じられないくらい、ストーリーもカメラワークも洗練されていて、とっても面白かったです。 クララ・ボウ演…
〈若干、結末にもふれています〉 映画館で見ておくべき!という声をちらほら見て行ってきました。20:30開始、終わったら午前0時の歌舞伎町・・・席もけっこう埋まってたし、そんな時間でも街に人があふれてて、コロナ心配だけどその活気が嬉しく思えてしまい…
「ディーパンの闘い」「ゴールデンリバー(見たのになぜか感想書いてなかった)」の監督なら、タッチは軽めでもかなりシリアスな問題を取り上げてるんじゃないかな?と思ってしまうけど、ちょっぴりクセのある群像劇としてサラっと見てしまいました。 舞台は…
「ゴースト」とかのちょっと切ないラブストーリーよりも前、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」でタイムリープものの形が世界的に固定されるよりも前。ファンタジーにテクニカルな整合性をやたら求めるようになる前なので、時間は一方向に流れるというより…