ヨーロッパ映画(90年代以降)
「アネット」に続いてこれも初日に見てきました。でも劇場の観客はパラパラ。あっちはアダム・ドライバーやマリオン・コティヤールが出てるし、カンヌで受賞してるし、上映館が少ないのでけっこう埋まってたけど、こっちは人気のあるバンドでも難しい音楽ド…
ヴェンダース監督の作品、意外と見てないのが多い。 主役のジェームズ・フランコは「トゥルー・ストーリー」の悪いやつか。ダニー・ボイルの「127時間」で耐え抜いた彼でもある。恋人はレイチェル・マクアダムス、事故の被害者の母はシャーロット・ゲンズブ…
「クラスに一人はいる変わり者のみなさーん」と、スパークス初来日公演(確か)で岸野雄一は観客に話しかけた。…確かにスパークス好きは変な人が多い。「ハーフネルソン」時代からアルバムは全部持ってるし来日公演はフェス以外全部行ってる(※FFSまで見た)…
劇場公開は2022年5月6日だけど、NHKBS1で放送したものを録画して3月27日に見た。(Netflixみたいな感じ)メイキング映像まで見たよ。 クルド人問題だけでなく、近代史や政治には相当うとい私ですが、「風の電話」に出てくるクルド人の町は見たし、クルド料理…
<ネタバレだらけです> 「雪の轍」の監督か。あの映画も面白かった。この映画の舞台はトロイの木馬で知られるトロイ。トルコ国内にあるとは知らなかった。 主人公の青年はモラトリアム感が漂う、小説家志望の青年。大学卒業後は教師を目指していたが、初め…
<結末にふれています> 裁かれたのは父コーリャだけだから、彼を「善人」とする明確な邦題の意図があるわけだな。てことは彼は多分無実という前提…。あるいは、浮気女リリアも、裁かれた善人の一人だろうか。 この監督の「ラブレス」を見たとき、あまりの絶…
1996年に作られた、ダルデンヌ兄弟の最初の長編作品。主役の少年がジェレミー・レニエなんだよなぁ。この間見た、ギャスパー・ウリエル主演の「イヴ・サンローラン」で彼を守り続けた中年男ピエールを演じてたのが彼だ。26年前はうら若き少年だったのだ。 そ…
ユペール先生の出演作を見るのは、ライフワークの一つみたいになってる。女性としてあっぱれというか…鼻っ柱強くどんな役でも(というか、あえて常にアクの強い役を)演じ続ける彼女をリスペクトしています。 彼女が演じるブリジットはフランスの郊外で牛を…
イヴ・サンローランを描いた映画はドキュメンタリーを含めて何本か見た気がするけど、これは見てなかった。「たかが世界の終わり」で惚れそうになったギャスパー・ウリエルが亡くなったという話を聞いたので、彼の軌跡として見てみる。 若き日のイヴを演じる…
タイトルを見るとビーチ・ボーイズの映画かなと思うけど、違うのだ。「マイアミ・ショーバンド」の虐殺事件のあと、どのバンドのツアーも北アイルランドを避けて通るようになってしまい、そこで生まれたアイリッシュ・パンクを盛り立てるレコード・レーベル…
一発撮りの生中継映画か。大変に決まってるけど、前人未到のことに挑戦するのはどんなことでも面白そうです。ウディ・ハレルソンってなぜか「悪い警官」ってイメージがあって、出てないのにツイン・ピークス警察にいたような二面性のある人って思い込んでま…
2007年の作品。もう「Golden Age」を「黄金時代」という和訳の邦題にしない時代だ。 「エリザベス」と続けて見たわけですが、本人にも止められない世界最強の女王への道をまっしぐら、メアリーを死刑にすることをもはや避けられず、スペインに開戦のきっかけ…
ケイト・ブランシェットの代表作、まだ見てなかった。 歴史ものだし権力闘争がからむので、大河ドラマといえそうな作品。英国好きなのに世界史はめっぽう弱いので、勉強になります。(誇張や虚飾もあるだろうけど、史実との正誤表みたいなのも調べれば見つか…
製作国がフランス・アメリカになってる。名高い英国の美術館なのに。 ロンドンに半年だけ駐在していたのは、なんと、今年でちょうど30年前だ。友達もいないしやることもなく、週末は美術館ばかり行ってた記憶があるけど、テート・ギャラリー(今のテート・ブ…
これは彼女が夫のために「ジャック・ドゥミの少年期」を作って送り出したように、今度は自分を語る作品を作ったものですね。「5時から7時までのクレオ」など、見ておいてよかった。やっとこの作品を見る用意ができました。 「少年期」があまりにも愛にあふれ…
ジャック・ドゥミといえば、「シェルブール」と「ロシュフォール」と「ローラ」ですよ。対するアニエス・ヴァルダは「5時から7時までのクレオ」。なんて美しい、日本の女子たちがみんな憧れる(※若干、極論)フレンチの世界を作ってきた人たち。 この映画は…
<ネタバレあり> そっか、「ベイビー・ドライバー」に続いて、クラシックなポップスの楽曲がそのままタイトルになってるんだな。 カウチ映画派の私でも、これは劇場で見たかったので、時間が作れてよかった。ビビり顏のヒロイン、エロイーズ(トーマシン・…
この分野に関しては、シュタイデルさんが特別だとは思えない…本を作るときに紙やインクにこだわるのって、日本では割と普通じゃないか?私が作ってたDVDでも(本じゃないけど)「特色」インクを何色まで使えるとか、透明スリーブと紙スリーブの二重構造にす…
これ、作品としての評価はあまり高くないみたいだけど、今は亡き人たちや、なかなか個人的な意見を聞く機会のない人たちの肉声が聞けるのがすごいです。いろんな監督や俳優の作品リストを見ると、これが入ってることが多くて…(そりゃそうだ、出演者が多いか…
<結末にふれています> この映画、何年も前から「見たいリスト」に入れてたけど、U-NEXTに入ってるって先週気づいた。こういうの多い。知らないうちに4Kリストアされてて、画質も新作みたいに美しい。ポネットちゃんのふわふわほっぺも鮮やかに可愛らしい…
2019年制作。そんな新しい映画だったんだ。クラッシュの「白い暴動」が出たのは1977年、ジョー・ストラマーが亡くなったのが2002年だから、ごく最近になって昔を振り返って作られた作品だったんだな。(字幕監修ピーター・バラカン。正しい人選) RAR: Rock …
ジェレミー・アイアンズの語り、いいですね。(年取ったなぁ)「インランド・エンパイア」とか「ダメージ」も見てるけど「リスボンに誘われて」の彼がよくて、そのイメージでこの映画の語りも聞こえてきます。 スペインの絵画のイメージって、ピカソよりもベ…
<ネタバレあり> ペール先生42歳のときの作品。まだコワイ女が定着してない頃じゃないかな。(私は常にコワイ彼女を期待しすぎてるので、実は純な女性という役も見たくなってきた) 奥様はジャクリーン・ビセットか。若い家政婦はサンドリーヌ・ボネール。…
ここしばらく、U-NEXTを離れて、TSUTAYA宅配レンタルの「見たい」リストに入れっぱなしだったものを大量に借りたのを見てます。(今朝から家のネットに障害が出てるので、ちょうどよかった)U-NEXTにもAmazonプライムにも入っていなくて、宅配レンタルでもす…
群像劇なのかな。 急なフライトの欠航で列車にチケットを振り替えてくれた秘書に、ラブレターのような手紙を書いては消している、老齢の博士。 なにか事情があって、わがままな老婦人の世話をしながら乗っている若者。彼女は去年亡くなった将軍の妻で、若者…
<ネタバレあります> トルコの現地の人たちの暮らしが垣間見られて面白い。たとえば、男も女も、白い酒を飲んでる。水を入れると白濁する、ウゾみたいな強い蒸留酒に違いない。 老人と息子、老人が惚れた娼婦の3人。彼らはドイツに住むトルコ人。息子は大学…
「ジミーのホール」がどうして「野を駆ける伝説」になるんだろう。ちょっと映画の雰囲気と違っていて、むしろ日本人がアイルランドに求めるイメージにおもねたようなタイトルじゃないか?いいけど。 カトリックがいろいろ厳しいということは見聞きしてるけど…
アイスランドが気になって、映画を見つけたら必ず見るようにしています。氷で覆われた真っ黒い溶岩でできた最果ての島。金髪碧眼の美しい人たちが、映画の中では割と突飛でどこかマヌケで、いい奴かと思ったらなかなかの問題人物だったりして、まったく掴め…
<後半のストーリーに触れています> U-NEXTの”見どころ”に書かれている「ウィンスレットとローナンの体当たりの演技合戦」がセンス悪いなぁ。濡れ場のことを”体当たりの演技”っていう、使い古された常套句。映画を見るのは女優のヌード目当ての男ばかりだと…
見たい映画を旬のうちに見る癖をつけたい…これもだいぶ時間が経ってしまった。 第一印象は、すごく普通にシンプルに作った映画だなということ。ヒネリとか驚きとかを演出せず、時代の中でもがき続けた一人の普通の女性を追って、とつとつと語る作品でした。…