ヨーロッパ映画(90年代以降)
割と作りがラフで、アイデア勝負の若い学生さんの卒業制作みたいな、青い感じだなと思った。瀕死なのにめっちゃ元気な二人と、完全にコメディのギャング二人。ギャグのセンスがヨーロッパっぽい。私が愛読してるレビュアーの皆さんに愛されてる作品だけど、…
太陽の塔の内側みたいな絵ばかり一生描き続けた謎の異才、天才というより異端、だと思っていたので、あまりに正統派的な取り上げ方がちょっと意外です。冒頭にタルコフスキーの引用があったり…。 ボスの名字の表記はドイツのボッシュ社と同じで、オランダ人…
これもずっと見たかったやつ。1991年7月にハイドバークで行われたハリケーンチャリティコンサートのことを、当時ロンドンに駐在していた同僚が感激してレポートに書いてきた(公園なんでどこからでも聞けたらしい)。こんな土砂降りで、ダイアナ妃がこんな風…
これも「クレイジーホース」と同じワイズマン監督作品。という流れもあって、同様にダンスを演じるシアターものとして延長線上に見てしまいそうだけど、パリの人たちから見たら、ヌードで踊るスタジオとオペラ座を同列に語るなんて!って怒られちゃうのかな…
面白い…なんて面白いんでしょう。1970年代にグリーンランドで初めて現地語でロックのレコードを出した「スミ」というバンドがあった。メンバーにも、ファンや関係者として発言する人たちにも、明らかにモンゴロイド系が多い。スカンジナビア半島やアイスラン…
宝塚みたいなもんかと思って見始めたので、ちょっとびっくりしました。 フランスの女の人ってこんなにキレイなのかー、など戦後の小学生のような感想を書きそうになるくらい(書いた)、ほんとに美しいですね。同じ女性というのもおこがましい、多分違う生き…
1961年に国連事務総長が乗った飛行機が落ちたのか。衝撃的だな。平和の使者のような人が…と思うけど、大きな利害が彼にかかっている人もいたのか。 監督が映画冒頭からインチキ臭い、という理由で、内容もマユツバものかなと感じさせるけど、見せ方が取材さ…
日本で期間限定レストランをやったドキュメンタリーを見たので、これも見たくなりました。お父さんがマケドニアから移住してきたアルバニア系イスラム教徒なんですか。名前でも見た目でも北欧の人かと思ってた。この作品では差別を受けながら育ったことも語…
世界一のレストラン、か…。憧れる気もするけど、ナイフとフォークも箸も上手に使えなくてマナーも適当だし、だいいち最高の味の最高さなんて私には多分わからないんだろうな。そんなすごい店が東京に一時開店してたことも知りませんでした。多分、お客さんは…
ユペール女史の出演作品を片っ端から「マイリスト」に入れておいたのを、ときどき思い立って見てみます。この映画は英語だけどノルウェー、フランス、デンマーク、アメリカ合作とのこと。 イザベル(役名も)を亡くした夫を演じてるのは、見たばかりの「ミラ…
ケン・ローチ監督(と、ダルデンヌ兄弟)の作品を見るときは、体調を整えてちょっと緊張しながら見る。空腹で見ちゃだめ、落ち込むから。でもこの作品は、ジャンルでいうとハートフルコメディ(なんとなくイケてない呼び方だけど)だった。 ダメダメな郵便配…
主役の女性アンジーは、移民の職業あっせんの仕事をよくこなしていた、ところまでは事実なんだろうけど、基本的に独善的でトゲがある。日本ではこのくらいの年齢になる前に、もう少しもまれて丸くなるもんなので、すごいなぁと思う。トレーラーハウスから人…
主役のエミリー・ブラウニング、ピュアな感じが素敵です。どこかアジア系っぽいんだけどそうは書かれてないですね。 ちょっとアンジェリーナ・ジョリーに似てる。 歌声もすごく良いんだけど、これは吹き替えではなく?いろいろググってみたら監督が所属する…
まだ未踏のサンクトペテルブルクの観光の目玉がエルミタージュ美術館。(ウラジオストクに分館を作る話は、その後どうなったんだろう?)なんといっても外観が美しい!この外観は私のロシア(帝国時代の)のイメージをかなり形作っています。 モスフィルムが…
東田直樹さんの本を読んで、閉じてた目を開かれたくらい驚いたし感動したのを覚えてます。 彼の最初の本を英訳したイギリス人男性のおかげで、東田さんのことも自閉症のひとたちの心の中のことも、世界が知ることになったのでした。 この映画は、東田さんの…
がんばって見なくていい作品、と思って見てみた。 野生の生き物たちを至近距離で臨場感たっぷりに写してて、見ごたえがあります。私、珍しい地形とか奇観も大好きなので、滝を上から(ドローンだよねきっと)写すのとか喜んで見てしまいました。命がけで食う…
これもずっと見たかった。でも映画館でこの監督の作品を見る自分が、間が保てる自信はない。何で見たいんだろう、好きかと言われるとよくわからないのに。 で感想を言いますと、画面は独特のグレーで覆われていて、前にも書いたけどハンマースホイという画家…
ホドロフスキーは原作だけなのに、タイトルに彼の名前を入れれば日本でもそれなりに売れるんだろうか。ネームバリュー‥‥ 2019年に彼本人が監督した「ホドロフスキーのサイコマジック」っていう作品もあるんだけど、どう違うのか?TSUTAYAでこれをレンタルし…
「パターソン」のあの可愛い女性を演じたゴルシフテ・ファラハニが、怒りをエネルギーに戦線に立つ兵士の役をやっている作品。平和な場所に生まれれば、あんなに屈託なくおっちょこちょいで可愛い女性が、内戦地域で生まれると戦士になることがある…生き延び…
OEDといえば、英文科にいた者にとっては、教授たちがときどき口にするけど、ほとんど手に取ってみたことのない”生きている古文書”、”大層なお宝”、”権威そのもの”のようなものでした。SukiyakiやKaraokeも載っているという…。世界中のすべての英単語を1巻の…
いきなり結論をいうと、彼女が私にとってのミッシング・リンクだったんだな。英国的カルチャーとビートルズの間が、途切れてたのだ。 ロンドンの語学学校にちょっとだけ通ってた頃、ロンドン大学の学食でナイジェリアからの留学生の男の子がまだ英語がよく聞…
こりゃ参ったな。 バンドの解散後やアーティストの死後にファンになって、「彼らが活動してた時代に生まれたかった」って思ったことが何度もある。ストーン・ローゼズは、私が音楽をまだ聴いてた頃、ロッキン・オンをたまに読んでた最後の時代のアーティスト…
やっとVODに降りてきた。フランス映画なのね。 先生を取り囲んで、キャンバスに彼女を描いている少女たち。教室の後ろに、暗くて美しい海の絵が見える。…この様式的で端正な美しさ、萩尾望都とかの時代の日本の少女マンガみたいですね。同性どうしで出会って…
ブラーを聞いてたのはMTVを契約してた頃だから…「ザ・グレート・エスケープ」の1995年あたりか。そこまでのアルバム全部とグレアムのソロまで持ってた。バンドスコアまで買ってベースラインを練習とかしてた記憶があるんだけど(ベース持ってないのに)、バ…
これ2013年に見てるけど、KINENOTEでは項目が3つに分かれてるほうに感想を書いてました。今回は何となく3本まとまった形で書いてみます。レオス・カラックスは新作を作ってるって噂を聞いた気がするけど、ミシェル・ゴンドリーの作品って全然見てないなぁ。…
<ネタバレあり> ザイードとハーレドはふつーの、別段志が高いわけでもない若者。彼らはある日「選ばれて」、ジハードという名の特攻へ行かされる。髭を剃られて一張羅みたいなのを着せられて、ちょっとばかりいいご飯を食べさせられて、考えるひまもなく。…
ものすごく構えて見たからか、怖くはなかった。怖そうで映画館には行けなかったけど、行っても大丈夫だったかもしれない。残酷シーンは、最近のスプラッターなホラー映画と違って、露悪的じゃなく、むしろ抑えてる。血の色が見えない白黒映画だし、切り落と…
ベルトルッチ監督最後の作品。2013年。 感触は、巨匠の晩年の作品っていうより、ヨーロッパの気鋭の社会派新人監督の作品みたい。たった1週間のあいだに、目に見えるほど少年が成長するわけではないけど、「友だち」じゃない「きょうだい」との出会いで彼は…
これなぁ、大学のゼミでやったやつ。公開当時にロンドンで見て、けっこうイメージ通りだった気がするけど、あまりに遠い昔なので久しぶりに見直してみます。(押入れの奥で発見した当時の駐在レポートによると92年5月21日にロンドンのCurzon Cinemaというと…
裸(文字通り)からのスタートで、倉庫から1日1個だけ物を出してくる、という生活を極寒の地ヘルシンキで丸1年間やるなんて、体中けむくじゃらの動物でもなければ無理でしょう!でもこれドキュメンタリーですね。実際やったんですね。 私は「何も持たない生…