アメリカ映画(80年代まで)
この監督の作品は初めて。ニコラス・ケイジがしょっぱなからアルコール依存症の借金魔で、この最低な男をこれからどうするつもりだ、という気になります。 彼が出会ったチャーミングな娼婦エリザベス・シューの元締めはジュリアン・サンズ。「眺めのいい部屋…
イタリア資本があったのでイタリアふうのエロティックコメディを作ろうという趣向だったのか。タイトルとジャケットを見ると、おどろおどろしい老人が次々に若い女性をいけにえにするような映画化と思ったけど、原題は「何?」だと聞いて、もっと軽くてチャ…
この監督の作品、意外と見てました。「ソイレントグリーン」は覚えてるけどあとはあまり記憶にない…。この映画は1954年なのでセンスが古くても当たり前なんだけど。「ロリータ」や「邪魔者は殺せ」のジェームズ・メイソン、「M」や「罪と罰」の癖のある悪役…
「おかしな」は「mad」なんだ。笑える!というんじゃなくて、どうかしてる、金の亡者になっちゃってる、というニュアンスかな。 CGもない時代なのに危険をかえりみないアクションの連続、バラエティに富んだ登場人物…と楽しいけど、あまりに人間ドラマがなく…
コロナのせいで世界一周に出かけられなかった腹いせじゃないですが、見てみることにしました。186分もあります。 「イントロダクション」という最初の章ではメリエスの「月世界旅行」やロケット打ち上げがゆっくりと収録されていて、なんとなくディズニーラ…
ホアキン・フェニックスの「ジョーカー」は置いとくとして、「ハーレイ・クイン」を見る前にこれを見ておこうかなと思って借りました。小粒な映画かと思ってたけど、意外と面白いですね。全体的な暗さがゴッサム・シティらしくて味があります。「エンチャン…
森高千里の「ハエ男」の元ネタ? タイトルや宣伝ビジュアルを見る限り、良くて昔の大映映画、悪いとアメリカの70年代くらいの低予算のどうにもならないヤツしか想像できないのに、感想を見るとそうそうたるレビュアーの皆さんがこぞって高く評価している。い…
この作品は1939年。冒頭の「an RKO Radio Picture」っていう、地球に電波塔が立ってるタイトルロゴがキッチュで素敵。このあと1957年にケイリー・グラントとデボラ・カーで監督自身が撮りなおしてて、そっちも高評価。その後にも映画化されてて、不朽の名作…
ブルーサンダーというのは、警察ヘリの最新型。ヘリってかなり低く飛べるので、犯人追跡とかもやってしまう。主人公はこのヘリのパイロット。出世に興味のない無頼派で敵も多いが腕が立つ。 彼の前に現れるのは、過去に失態を犯したもと同僚。その男が彼を消…
この監督は私の大好きなマルクス兄弟「我輩はカモである」や、私の大好きなハロルド・ロイドの「ロイドの牛乳屋」とかを撮った監督じゃないですか。ほかにも何本か見てるけど、テンポのいい毒のない笑いで、好きな作品が多いので、期待してしまいます。 劇中…
日本ではこれがアル・パチーノのデビューなのかな。ちょっとキャラ濃いけどまだ若いチンピラって感じです。真面目で一途な表情で人をじっと見るんだけど、どうも真っ当に生きていくように見えないのが彼の特徴です。だけど優しいので、若いヘレンは彼をだん…
フリッツ・ラングのアメリカ時代の作品って、ハードボイルドっぽい流行りもののサスペンスにどんどん寄っていくなぁ。粗製乱造という感じではなくて、クールさとスリルが一貫しています。私わりとこの手、好きなんですよね。毎週金曜の夜とかに帯ドラマでや…
アイガーといえばスイスアルプスの超絶、登頂が難しい山ですね。(特に北壁) なぜかそこを舞台に制裁が行われる映画なのですが、舞台はほとんどアリゾナ州のモニュメント・バレーです。ここって本当によく映画で使われますね!(スイスロケお金かかるんだろ…
102分の短い作品なのに、一人のイギリス人男性の、彼の人生における重大な局面のサバイバルが濃すぎて、3時間くらいの大作のような感じがします。 第二次大戦の開戦前、ドイツ某所でヒットラーを銃撃しようとしたイギリス人が捕まります。本気じゃなくて、ス…
1963年の作品。面白かったです。ロンドンの空港からマイアミへ発とうとしている「VIPたち(これが原題)」つまり今でいう上級会員(この頃は著名なら顔パスだったみたいだけど)の客の人間模様を、元々彼らが抱えていた問題と、霧による遅延・欠航という事件…
バート・ランカスターこのとき50代だけど、最初から最後までずっと水着姿でした。ひたすらプールを泳ぎたがる男の映画と聞いていて、なんとなく成りゆきも結末も見えてたけど、本当にそれだけの映画を作ったんだ!というのが面白いし、感想を読むと、町山氏…
すっごいサイケでヒッピーな映画! ファンカデリックのCDジャケットみたいなヒッピーたち。長髪を切って軍隊に入るという「ヘアー」か。なんかそういう歌あったな。就職が決まって髪を切るとか…(cf.「いちご白書をもう一度」1975年) 思い切り反戦的で反体…
ヴィヴィアン・リー主演のやつです。クラシックの名作だけど私が先に見たのはキーラ・ナイトレイのごく最近のやつだけ。ヴィヴィアン・リーのほうが業の深さを体現してくれるのではないかと期待。 作りが1948年らしい、なんというか「まじめな」流れなので、…
リタ・ヘイワースといえば、米兵が兵舎の部屋の壁にピンナップを張り付けてるというイメージ。これは第二次大戦後すぐの1948年の作品。彼女はブルネットの色白でぶっちゃけジプシーには全然見えないし、フラメンコはスペイン人が見たら怒るだろうという適当…
キャスティングが絶妙ですね。ルドガー・ハウアーって逆立ちしても強面系(※「聖なる酔っぱらいの伝説」を見て繊細さにちょっと惚れた)だし、C. トーマス・ハウエルはどう見ても弱虫の少年。そんなに怖いならルート変えて逃げろよ…。普通、こんなに犯罪を重…
フリッツ・ラングがアメリカで撮った映画って、なんというか、どれも感動するような内容はないのに、なんともいえずいいんだよな。まず映像構成が素晴らしい。冒頭の、電車の切り替えや、電車どうしがすれ違うときの高速でスリリングな映像。さすがドイツ出…
引き締まった白黒映像。「恐怖省(Ministry of Fear)」ってタイトルは、なんとなくSFショート・ショートみたいでそそります。「第三の男」と同じグレアム・グリーンの原作なんですね。 精神病院を出たばかりの、帽子の男を演じるのはレイ・ミランド。「失わ…
1937年の作品。サイレントの「メトロポリス」が1927年、「M」が1931年(1934年にフランスへ亡命、その後ハリウッドへ)、その後10年もたっていないのに、音楽も演技もすっかり洗練された、ハリウッド的な作品になっています。 内容的には、一度悪役を押し付け…
アラン・ラッド、見たことがあると思ったら「シェーン」だ!ヴェロニカ・レイクは「サリヴァンの旅」のデキる美女だ。(あの映画大好き)そして豪華なのはキャストだけじゃなくて、脚本欄に書いてあるのはレイモンド・チャンドラー!書下ろしなんですね。ど…
<ネタバレだらけ> 事前知識なしで見たので、(あれ?「グレーテスト・ショーマン」の前日譚?)などと思って見ていたら、そんなハッピーな映画ではまったくありませんでした。クリスチャン・ベールが出てきた時点で疑うべきだった。 トリックの部分は荒唐…
フリッツ・ラングの映画は全部サスペンスで、かつ、血みどろとか幽霊とかゾンビとかは出てこないので、退屈でしょうがない祝日に見るにはうってつけです。(私は幸か不幸か、結末を知ったうえで見始めました。以下ネタバレあり、です) 犯罪心理学が専門の中…
安っぽい作りだけど、エンタメ度高いですね。ブロンドの大仁田厚みたいな主人公は、地に足の着いた肉体派。ひょんなことから手に入れてしまったのは、宇宙人を見分けるメガネ。300円くらい払うと映画館でもらえる3Dメガネ みたいな作りだけど、3Dメガネも…
何回も見かかって、なぜかいまだに一度も最後まで見てなかった作品。いや、見たのかな。いろんな場面が記憶にある…弟と寝たな!って妻を殴る場面とか。 乱暴に殴り合う場面や激しい口論って苦手だし、男女が出てきても全然ロマンチックじゃなくて男の側の都…
おお。冒頭いきなり、らせん階段を上から見下ろした構図から始まります。女性が一歩一歩、用心深く、手すりを頼りに降りていきます。外はすごい嵐。 次の場面は人より少し早いスピードで追い越していく映像。撮影にこだわる監督ですね。全体的に、とても丁寧…
満を持して?いまさらの?ブルー・ベルベット鑑賞。 あれほどリンチ監督の作品を、ツイン・ピークスの最初のシリーズから何からさかのぼって見たのに、この映画は20年前とかに見てそのままになってました。今見るとまったく、ツイン・ピークスやマルホランド…